「PB55」の次に古いテディベア(1904年製。現存する最古のテディベア)
世界最古のテディベアはシュタイフが1903年に作った「ベアPB55」なのですが、残念ながら現存していません。それには、ある不思議な出来事があったのです。
リチャードシュタイフによって、作られたテディベア「PB55」は、1903年、ドイツのライプチッヒのおもちゃ見本市で、初お目見えしたのですが、ヨーロッパ人からの評価は散々でした。
しかし、見本市の最終日、そのベアに魅了された、アメリカ人バイヤー、ハーマン・バーグによって、その場で3000体注文されたのです!
そして、箱詰めされ、船に乗せられた3000体のテディベアたちは、ドイツからアメリカに向けて出港したかと思われたのですが・・・・ベアたちは、アメリカに到着することなく、忽然と消えてしまったのです!
しかし、実際には、3000体のベアたちがアメリカに向けて出荷されたという記録は一切残っていないそうで(当然アメリカに到着したという記録もありません)このベアたちがどうなったのか、今でも謎のままとなっています。
一体、ベアたちに何があったのでしょうか?
1904年製
定説では、ベアたちは箱詰めにされ、アメリカに向けて出荷されたようですが、(出港記録は紛失したのでしょうか?)海上で何らかの事故があり、海に投げ出されてしまったと言われています。
そして、3000体のうち、1体も残っていないことについて、シュタイフミュージアムのマヌエラさんは、「PB55」は、胴体と腕、頭、足をつなぐジョイントがとても壊れやすかったため、ベアはバラバラに壊れてしまい、生還できなかったのではと、おっしゃっています。
1904年製
しかし、マヌエラさんは、それでも希望を捨てていないようで、誰かが「PB55」を見つけて、持ってきてくれるのではと、今でも毎日ベアの帰りを待っているのだそうです。
テディベアが誕生してすぐに起こった「ベアミステリー」。
「PB55」が無事生還してくれたらこの謎の答えを、ベアがすべて物語ってくれることでしょう。
それよりもまず、その時にはベアに、お疲れ様と言ってあげたいですね。
マヌエラさん同様、私も「PB55」の帰りがとても待ち遠しいです♪
(ちなみに、もしこのベアが見つかったら、おそらく£180,000(日本円で約25,200,000円)以上の価値があるそうです)