以前、「イギリスのブリストル空港に置き忘れられた古いテディベア」
の記事を書いたのですが、

このテディベアの持ち主にまつわる、
さらに詳しい話が分かったので、ご紹介しましょう。

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空港にテディベアを置き忘れる

2012年、ロバート・ベイカーさんは、
サウス・ウェールズからキプロスへ移住することになり、

その際、イギリスのブリストル空港に、
古い一体のテディベアと写真が入った
手提げ袋を置き忘れてしまいます。

その写真は、1918年3月4日付けの、
ポストカードで、

二人の少女とこのテディベアが、
写っており、

その裏には子どもの字で、

最大の愛とキスと一緒に、わたしたちの最愛のパパに送ります。
あなたの愛する小さな2人の娘、ソーニア、ドーラとグリンより。

と、書かれてありました。

テディベアの元の持ち主は?

おそらく、テディベアを抱いている、
リボンをつけた少女がドーラで、
彼女は、ベイカーさんの伯母さんに当たるのですが、

もともと、このテディベアは、
ドーラのものではなく、

1910年に彼女の兄で、ベイカーさんの、
伯父に当たる、ケニス・ジョージ・ベイカーが、
生まれて間もなく、叔父さんから贈られたものだったのです。

しかし、ケニスは体が弱く、
3歳の誕生日を目前に自宅で亡くなってしまい

その後、ケニスの妹であるドーラが、
テディベアの新しい持ち主になったのでした。

ポストカードはドーラとグリンが父ニコラスに送ったもの

また、この写真つきのポストカードは、1918年、
当時6歳だったドーラが、4歳の弟グリンとともに、

戦争で海外へ派遣された父ニコラス
(ベイカーさんの祖父)に送ったもので、

ニコラスはこのポストカードを、
バクダットで受け取っています。

ただ、ほどなくして、ニコラスは、
マラリアにかかって亡くなったそうで、

このポストカードは、子どもたちからの、
最後の便りとなってしまったのでした。

テディベアを譲り受ける

そして、それから、長い月日が経ち、
ベイカーさんは、ドーラの弟のグリンの息子として誕生。

ベイカーさんは、子どものいなかったドーラから、
このテディベアを譲り受けられたのでした。

ベイカーさんは、
このテディベアとよく遊んだのでしょう。

テディベアの足の裏の個性的なストライプは、
ボロボロになったところを、
ベイカーさんのお母さんが補修されたのだそうです。

14ヶ月ぶりにテディベアと再会

そんな歴史のあるテディ・ベアと、
写真の入った手提げ袋を、ベーカーさんは、
うっかり、空港のトイレに置き忘れてしまった訳ですが、

実は、搭乗後、そのことに気づいたものの、
忘れ物は処分されるという放送を繰り返し聞いていたため、
戻ってくることはないと諦められたのでした。

ただ、空港では、
この古いテディベアに魅了された職員が、
写真の裏にある名前を手がかかりに、
持ち主を探してくれており、

ある新聞が、落とし物のベアについて、
一面で取り上げてくれたことをきっかけに、

ベーカーさんは、14ヶ月ぶりに、
めでたく、ベアと再会することが出来たのでした。

ブリストルのレプリカ

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オークションに出品

しかし、ベーカーさんは、
その後、体調を崩されたことで、

ベアがこれ以上不運に見舞われないよう、
新しい持ち主を探すことを決意され、

2015年12月、
イギリスのニューベリーで、
ベアをオークションに出品。

すると、テディベアショップ、
「テディベア・オブ・ウィットニー」のオーナーで、
テディベアコレクターのイアン・パウトさんが落札。
このベアは「ブリストル」と名付けられたのでした。

ちなみに「ブリストル」は、現在もイアンさんとともに、
ウィットニーで暮らしているとのこと。

ベアもやっと安住の地を見つけ、
ほっとしていることでしょうね♪