2017年の8月、テディベアの図鑑(写真集)がないか、紀伊國屋書店に、
探しに行ったところ、偶然「愛されすぎたぬいぐるみたち」という本を見つけました。

出版されたばかりだったのか、平積みになっており、
見本が一冊置いてあったので、ページをめくりペラペラと中をみたところ、

持ち主が幼い頃から大切にしてきたであろう、
ぬいぐるみたちの写真と、エピソードが添えられていて、
とても興味深いものでした。

ただ、この時私は、テディベアの図鑑を探していたため、
ちょっと迷った末に、買うのをやめました。

そして10月初め、再び紀伊国屋書店に行くと、なんとなくその写真集が気になり、
売り場に行ったところ、たくさんあったのが、1冊だけになっており、
私は迷わず買うことにしました。

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ボロボロになるほど愛された?

この写真集に登場するぬいぐるみたちの中には、
もう、原型をとどめていないほどのものもあり、
正直驚かされました。

こんな姿にびっくり!

それでも持ち主にとっては、幼い頃から一緒だったぬいぐるみということで、
愛着があるのでしょうね。

ちなみに、この本のタイトルでもある「愛されすぎた(much loved)」ですが、
欧米ではボロボロになったぬいぐるみをこのように表現するようです。

体の毛が擦り切れるほど抱きしめられたり、腕をつかまれたり・・・

ちょっと乱暴に扱われたのかな、と思うくらい、
目や耳、しっぽが取れて痛々しい姿になっているのも、

ほったらかしにされて、新品同様、というよりは、
持ち主の愛情が感じられて良いということなのでしょうね。

私もこの写真集を見ていると、幼い頃に遊んだぬいぐるみたちを思い出しました。
今では、このくまさん、一体しか残っていませんが・・・

サンアンドスターが廃業!月輪熊のぬいぐるみで有名に!

さて、この写真集では、約60体のぬいぐるみたちが、
持ち主のエピソードとともに紹介されています。

アイルランドのロックバンド「U2」のヴォーカル、
ボノ(Bono)のテディベアや、

イギリスのコメディ番組「Mr. ビーン(Mr. Bean)」に登場する、
テディベア、

100歳を超えるテディベアなど、
様々なぬいぐるみたちが登場し、とても楽しく、
時にはほろりとしながら読みました。

中でも私は、「ミスター・テッド」の写真をひと目見て、
とても心を打たれました。

「ミスター・テッド/ジョニーのクマ」

優しく微笑みを浮かべた口元は、
今にも何かを語りかけてきそうだったからです。

また、「ミスター・テッド」のエピソードも、
とても心温まるものだったのでここでご紹介しましょう。

もともと、「ミスター・テッド」は、
現在の持ち主の兄、ジョニー(1970年生まれ)が、
赤ちゃんの時に購入されたテディベアだったのですが、

ジョニーは6歳の誕生日を迎えることなく、
ダウン症のため、この世を去ってしまいます。

母親は、ジョニーが生前「ミスター・テッド」に夢中だったため、
彼が亡くなった後も「ミスター・テッド」を手放すことができず、
やがて生まれた、現在の持ち主を含め3人の兄弟たちの遊び相手となるのでした。

そして、長年、子どもたちの良き遊び相手だった「ミスター・テッド」ですが、
子どもたちが成長すると、タンスにしまわれることに・・・

しかし、ある時、末の妹が迎えに来てくれて、
現在は彼女の家で暮らしているのだとか。

ひとつのぬいぐるみに家族の喜びや悲しみが込められ、
長い空白期間を経て、再び大切にされるなんて本当に素晴らしいですね♪

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マーク・ニクソン

ところで、この写真集の著者で写真家のマーク・ニクソンという人は、
息子がピーター・ラビットのぬいぐるみで遊んでいる姿を見て、

幼い頃に自分もパンダのぬいぐるみで遊んだことを懐かしく思い出し、
「愛されすぎたぬいぐるみたち」の展示会をすることを思いついたそうです。

(ちなみに、このピーター・ラビットやパンダのぬいぐるみも掲載されています)

そして、展示した写真をご自身のホームページにアップしたところ、
1ヶ月もたたないうちに、世界中から150万件以上のアクセスがあり、
さらに3ヶ月経つと、アクセスは450万件を超え、
様々なソーシャルメディアで話題になったのだとか。

こうして、出版社からもコンタクトがくるようになり、
写真集として出版するに至ったのだそうです。

日本でも2015年に、テレビ番組「マツコの知らない世界」
で取り上げられ、話題となっていたようなので、

この本が紀伊国屋書店で平積みとなっていたのは、
待望の日本語訳が出版されたから、だったのですね。

「大人になってぬいぐるみなんて・・・」

と、世間一般では思われていることと思いますが、
世界中で多くの人々が、子どもの頃に一緒に遊んだぬいぐるみを、
とても大切にしている(または、私のように思い出がある)ことが分かりました。

ぬいぐるみが私達に与える安心感は、
私達が思っている以上に、大きいのかもしれませんね♪

愛されすぎたぬいぐるみたち